2012年9月28日金曜日

JSTの新規プロジェクトに楡井准教授が採択されました

■戦略的創造研究推進事業(社会技術研究開発)平成24年度における新規プロジェクト




JSTによる、社会技術研究開発センターの戦略的創造研究推進事業(社会技術研究開発)における平成24年度の新規プロジェクトに、楡井誠准教授の「科学技術イノベーション政策の経済成長分析・評価」が採択されました。

題名:科学技術イノベーション政策の経済成長分析・評価

概要:
 成熟経済において、科学技術はイノベーションの源泉として機能することが期待されている。一方で、限られた政策資源のもとでは、科学技術部門への投資についても、その経済効果を統合的かつ定量的に測定し、客観的に評価していくことが求められている。

 本プロジェクトでは、経済成長論を基本的枠組みとして、大学や公的研究機関への運営費交付金、競争的研究資金、企業の研究開発への補助金、税制、人材養成への補助、国際的な技術移転制度など、科学技術イノベーション政策が国民経済厚生に与える効果を測定するモデルを開発し、効果発現メカニズムを踏まえた政策の立案に寄与することを目指す。

研究開発に協力する関与者:

  東北大学 大学院経済学研究科
  一橋大学 大学院経済学研究科
  九州大学 大学院経済学研究院

詳しくはこちらのページをご覧ください・・・・> JST HP 科学技術振興機構報 第914号
   

2012年9月13日木曜日

【一橋ビジネスレビュー】 2012年度 Vol.60-No.2

2012年度<VOL.60 NO.2> 特集:オープン・イノベーションの衝撃









12・3・6・9月(年4回)刊
編集 一橋大学イノベーション研究センター
発行 東洋経済新報社


特集:現在、オープン・イノベーションは、経営学において国内外を問わず大きな注目を集めている。これまでの垂直統合的な企業経営のあり方を問い直す必要に迫られている日本企業にとって、このコンセプトの重要性は高い。日本企業は元来、企業の外部にある経営資源の活用は得意であった。本特集では、何がオープン・イノベーションであるのかという教条的な定義上の問題ではなく、実際の日本企業の試みとその成果、問題点をイノベーション・マネジメントの観点から考えていく。

特集論文Ⅰ オープン・イノベーションの考え方
米倉誠一郎 (一橋大学イノベーション研究センター教授)
近年の技術進歩は、速くて複雑である。また、安定していたマーケットが突然、変化してしまうこともよくある。技術とマーケットが目まぐるしく変化する時代にあって、新たな技術やマーケット・ニーズの開放系探索をめざすオープン・イノベーションには、多くのメリットがあるが、同時にデメリットも生じる可能性がある。そもそも、何でもかんでもオープンにすればよいというわけではない。オープン化によってどんな戦略目標を実現するのか、また、そのために専業組織を確立する意志があるのか。さらに、オープン化を推し進めるにあたって、自社の研究開発組織のあり方、長期戦略と短期戦略の明確な位置づけを持っているのか。オープン・イノベーションとは、一見外に開かれていくように見えて、実は内部戦略と組織の再構築のプロセスであることを忘れてはならない。


特集論文Ⅱ オープン・イノベーション──成功のメカニズムと課題
武石 彰 (京都大学大学院経済学研究科教授)
オープン・イノベーションは手段である。目的は価値の創造と獲得であり、そのための優れた固有のメカニズムのなかで適格な手段として利用されて初めてオープン・イノベーションは効果を発揮する。そうしたメカニズムを持たない企業は、オープン・イノベーションを実践したくても実践できない。オープン・イノベーションへの積極的取り組みを標榜しても成果はあがらない。勝負は、オープンかどうかで決まるのではなく、オープンを活用して何ができるのかで決まる。

特集論文Ⅲ オープン・イノベーションのマネジメント──探索と知識マネジメント
 清水 洋/星野雄介  (一橋大学イノベーション研究センター准教授/武蔵野大学政治経済学部講師)
イノベーションは、新しい組み合わせである。外部で生み出された知識を、自社の知識と組み合わせることによってイノベーションを生み出す点に、オープン・イノベーションの新しさはある。それでは、外部で生み出された知識をどのように探索するのだろうか。また、外部で生み出された知識をどのように社内の知識と組み合わせるのだろうか。本稿では、この知識の探索と組み合わせのマネジメントを考える。探索のマネジメントにおいては、エージェントによる探索、自社による探索、パートナーによる探索の3つのパターンを考える。そこでは、組み合わせ爆発を抑えながらも、いかに探索範囲を効率的に広げるかがカギとなる。外部で生み出された知識を自社の知識と組み合わせるマネジメントとして、専門部署の組織化、コミュニティ、そしてプラットフォームを介した3つのインターフェースのあり方を考察する。これらの議論から、オープン・イノベーションといっても、すべてをオープンにすればよいというわけではないことがわかる。オープン・イノベーションのベストプラクティスには、オープンさのなかのクローズドさ、クローズドさのなかのオープンさのマネジメントがある。

特集論文Ⅳ オープン・イノベーションで日本の強みを活かす
グレン・ヘトカー (アリゾナ州立大学W・P・ケアリー・スクール・オブ・ビジネス准教授)
オープン・イノベーションのパラダイムは、日本の大企業には逆風なのだろうか。確かに、日本が抱えている問題は小さくない。企業やそれを取り巻く環境の変革の必要性が叫ばれている。しかし、日本の大企業がこれまでに蓄積してきたノウハウや経営資源は、オープン・イノベーションにおいても大きな強みとなりうるのである。スタートアップ企業をサポートする制度的な仕組みの整備など、必要な改革もある。しかし、スタートアップ企業の数を増やせばよいという問題ではない。多くの優れた経営資源を蓄積し、多角化した日本の大企業とスタートアップ企業の協力関係の促進がカギである。日本企業のオープン・イノベーションへのポテンシャルの高さは、海外で高く評価されている。広範な技術的知識ベースを有する企業が多い日本は、オープン・イノベーションに取り組むのに適している。

特集論文Ⅴ 社内企業家と技術市場の内部化──大阪ガスにおけるオープン・イノベーションの事例から
川合一央 (岡山商科大学経営学部講師)
オープン・イノベーションという新しい経営学理論を現実の経営のなかで実践していくためには、業界や技術パラダイムの境界を越えて、技術という情報資源を探索することが求められる。また、自主技術の開発に注力することにより競争優位を獲得してきた企業が多い日本にあっては、社外にある種々雑多な情報が交錯する場を新たにつくりあげ、それを機能するものに変換していくことも要請される。本稿では、日本企業のなかで先駆的かつ集中的にオープン・イノベーションに取り組み始めた大阪ガスに焦点をあわせる。そして同社の企業家的な人々が、組織としての学習成果を活かしつつ、オープン・イノベーションの仕組みをつくりあげていった過程を明らかにする。

特集論文Ⅵ コラボレーションを通じた高機能繊維の開発と事業化──スーパー繊維「ダイニーマ」を事例として
星野雄介(武蔵野大学政治経済学部講師)
現在、日本の製造業は苦境に陥っている。しかし、過去の苦境を乗り越えた企業がある。そのような企業の回復のプロセスから、いくつもの示唆を得られるのではないだろうか。本稿では、苦境を乗り越えた企業として、歴史ある繊維企業の東洋紡を事例に取り上げる。1970年代のオイルショック以降、新規事業開発を本格化させた東洋紡は、
オランダのDSMとともにダイニーマというスーパー繊維を工業化した。本事例は、ダイニーマの工業化のみならず、用途の開発においても、コラボレーションを活用したところに特色がある。本稿では、コラボレーションはイノベーションの速度を向上させるだけでなく、社内に眠る既存資源を有効活用させるという効果も持つことを指摘する。さらに、コラボレーションのマネジメント、社内の既存事業との距離が重要であったことが指摘される。

[経営を読み解くキーワード]
兵站線の伸び
中川功一 (大阪大学大学院経済学研究科講師)

[技術経営のリーダーたち]
世界一の半導体をつくるために必要なバランス
小池淳義 (サンディスク株式会社 代表取締役社長/Senior Vice President of SanDisk Corporation)

[ビジネス・ケース]
味の素──栄養改善をめざしたBOP市場への参入
平尾毅/星野雄介 (諏訪東京理科大学経営情報学部准教授/武蔵野大学政治経済学部講師)
40億人ともいわれる、年間所得3000ドル以下の低所得層(BOP)を将来の成長市場として開拓する動きが世界的に活発化している。しかし、BOP市場固有の制約要因によって苦戦を強いられるケースも少なくない。第2次世界大戦以前から海外事業の展開を積極的に進めてきた味の素が、次のターゲットとしてBOP市場への参入を試みている。同社は、ガーナにおける栄養改善をめざして現地機関や国際NGOなどの複数の組織とコラボレーションを行っている。本ケースでは、広範なコラボレーションを通してBOP市場への参入を果たそうとしている味の素の取り組みを取り上げ、BOP市場への参入の1つのあり方を考える。

[ビジネス・ケース]
カモ井加工紙──ユーザーイノベーションの事業化
堀口悟史 (神戸大学大学院経営学研究科博士後期課程)
建築現場などで使われる工業用副資材のマスキングテープが、カラフルなデザインで身の回りの品を彩る文具雑貨としてファンを増やしている。それをブランドとしていち早く事業化したのが、粘着テープメーカーのカモ井加工紙である。この工業用副資材がどのようにして、人気雑貨に生まれ変わったのか。なぜカモ井だけが事業化を行ったのか。製品やサービスのイノベーションを行うのはメーカーだけではなく、ユーザーが重要な役割を果たすことがあることが近年知られている。本ケースでは、3人の女性ユーザーによるマスキングテープの用途革新とその公開の経緯、事業化の過程におけるカモ井と同業他社の動きをたどることで、ユーザーイノベーションがメーカーによって製品化される条件を探っていく。

[コラム]偶然のイノベーション物語
偶然・奇遇とセレンディピティ
榊原清則 (法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科教授)

[私のこの一冊]
他者の行為を理解する──ジャコモ・リジラッティ/コラド・シニガリア『ミラー・ニューロン』
 竹田陽子 (横浜国立大学大学院環境情報研究院教授)

マーケティングの問いを提供し続ける──石井淳蔵『マーケティングの神話』
 水越康介 (首都大学東京ビジネススクール准教授)


[マネジメント・フォーラム]
インタビュアー/米倉誠一郎
先駆企業に学ぶ。オープン・イノベーション成功の条件とは
ロブ・ファン・リーン (DSM チーフ・イノベーション・オフィサー)

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2011年度版 アニュアルレポート発行いたしました

2011年度版 アニュアルレポート発行いたしました













センターの概要、一年間の研究教育活動、研究業績等をとりまとめましたので、是非ご覧ください。


目次

はじめに
イノベーション研究センターについて
1. 研究活動
  • 1) イノベーション研究フォーラム
  • 2) 産学官連携プログラム
  • 3) 共同研究プロジェクト
  • 4) 国際シンポジウム等
2. 研究員
  • 1) 専任研究員
  • 2) 兼任研究員
  • 3) 外国人研究員(客員)
3. 教育活動
  • 1) 講義
  • 2) 資料室
4. 研究成果および刊行物
  • 1) 一橋ビジネスレビュー
  • 2) ワーキングペーパー
  • 3) ケーススタディ
編集・発行 一橋大学イノベーション研究センター

イノベーションの新次元ヘ 一橋大学広報誌「HQ Vol35 夏号」

一橋大学の広報誌「HQ」のVol.35 夏号(July 2012)に
 

イノベーション研究センターの「イノベーションの新次元へ」という記事が掲載されました。

概要:イノベーション研究センターの意欲的な提案として

イノベーションの新次元へ

 
科学技術イノベーション政策における「政策のための科学」基盤的研究・人材育成拠点整備事業(文部科学省) 

最先端・次世代研究開発支援プログラム(日本学術振興会) 

の内容が紹介された。

2012年9月7日金曜日

講演会「イノベーションの理由」

講演会のお知らせ 

イノベーションの理由 資源動員の創造的正当化 

軽部 大 (一橋大学准教授)


日 時: 2012年 9月28日(金) 19:00~20:30
参加費: 組織学会会員 1,000円 ・ 一般 2,000円
( 事前申込み不要、当日会場にて申し受けます )
会 場: コンファレンススクエアエムプラス ( 1階サクセス )
東京都千代田区丸の内2-5-2 三菱ビル
(JR・「東京駅」丸の内南口から徒歩3分)
TEL:03-3282-7777
(地図はこちら http://www.marunouchihc.jp/emplus/access/index.html)

特定非営利活動法人 組織学会定例会

●要 旨●
イノベーションの実現は日本企業、そして日本経済全体の喫緊の課題である。イノベーションとは、経済成果をもたらす革新である。革新的なアイデアを製品やサービスとして事業化するには、多くの困難を伴う。もっとも、これまで体系的に日本企業のイノベーション活動に関する研究が推進されてきた訳ではない。そこで、一橋大学21世紀COEおよびグローバルCOEの財政的支援を受けた「大河内賞ケース研究プロジェクト」は、2003年より大河内賞を受賞した研究・開発事例に注目して、日本企業のイノベーション活動を体系的に把握する研究を進めてきた。今回の定例会では、イノベーションの実現プロセスを社内外の資源を動員し、社会的に正当性を確立するプロセスとして捉え、具体的には大河内賞を受賞した23の事例から、日本企業のイノベーション活動を特徴付ける。その上で、日本企業が直面するイノベーション実現のための課題を議論してみたい。

●プログラム●
18:30~ 開場
19:00~ 開会
講演 60分 「イノベーションの理由 –資源動員の創造的正当化 」
軽部 大(一橋大学准教授)
質疑応答 30分
20:30  閉会

●講師紹介●
軽部 大(かるべ まさる)
1969年生まれ。1998年一橋大学大学院商学研究科博士課程修了。博士(商学)。東京経済大学経営学部専任講師。2002年一橋大学イノベーション研究センター助教授。現在、一橋大学イノベーション研究センター准教授。2006年7月から2007年12月までFulbright Visiting Scholar (Wharton School, University of Pennsylvania)。
(おもな著書)
『イノベーションの理由』(武石彰・青島矢一との共著,有斐閣, 2012年)。『組織の重さ』(沼上幹・加藤俊彦・田中一弘・島本実との共著,日本経済新聞社,2007年)。『見えざる資産の戦略と論理』(伊丹敬之との共編著,日本経済新聞社,2004年)。Akira Takeishi, Yaichi Aoshima, and Masaru Karube (2010) "Reasons for Innovation: Legitimizing Resource Mobilization for Innovation in the Cases of the Okochi Memorial Prize Winners" in Hiroyuki Itami, Ken Kusunoki, Tsuyoshi Numagami, and Akira Takeishi (Eds.), Dynamics of Knowledge, Corporate System and Innovation: 165-190. Berlin Heidelberg: Springer.

協力:三菱地所株式会社
お問い合わせ先:特定非営利活動法人 組織学会事務局
TEL:03-5220-2896(平日11時~17時) FAX:03-5220-2968








2012年9月6日木曜日

IIR資料室について

資料室に関するページです。

2012年9月20日 遠藤章先生 米国発明家殿堂入り記念フォーラム



イノベーションフォーラムのお知らせ 2012年9月20日

(遠藤章先生 米国発明家殿堂入り記念)

こちらのフォーラムは、盛会のうちに終了いたしました。
ご参加くださいました皆様、ありがとうございました。






テーマ:
 「科学の世界一と日本一」 (40分程度)
講演者 :
遠藤章 一橋大学 イノベーション研究センター客員教授

報告者 :
長岡貞男 一橋大学 イノベーション研究センター教授
報告テーマ : 
「スタチンの発見と開発過程から学べるもの」(30分程度)  Q&A 10分程度

日時: 
2012年9月20日(木)17時00分~(フォーラムの後、レセプションを予定)

開催場所:
一橋大学 佐野書院

趣旨:
遠藤章先生は、スタチンの発見の業績で、このたび日本から初めて米国発明家殿堂入りを果たされました。 発明家殿堂には、ライト兄弟、エディソンから最近のコーエン(遺伝子組み換え)、キルビーとノイス(集積 回路)など、人類の厚生と科学・技術の進歩に貢献したと評価されている、約470名の発明者が選ばれています。
フォーラム終了後、午後6時半から受賞記念レセプションを佐野書院で行います。


備考:

※ご参加いただけます方は、イノベーション研究センターの研究支援室に9月12日までに連絡をお願いします。(chosa@iir.hit-u.ac.jp).
記念レセプションは1000円の負担をお願い申し上げます。




イノベーション研究に関する研究会を、他大学の研究者、企業人、官界人らを交えて、月1回のペースで行なっています。

 一橋大学イノベーション研究センター
 Phone:042ー580-8422、8423 Fax:042-580-8410